2018年12月22日土曜日

特別顧問 李向軍医師 就任


李向軍医師が当院の特別顧問に就任いたしました。兵庫でも李漢方内科・外科クリニックを開設し、不妊症・アトピー性皮ふ炎・関節リウマチ・各種難病で治療の実績を持ち、中医の漢方によるがん治療にも力を入れています。2月の日・月曜日に特別外来を行います。日程は改めて、当院ホームページにてご案内いたします。
     李 向軍 医師
役職・資格
  • 世界中医連合会呼吸器病専門委員会 副会長(中里 道新(李 向軍))
  • 日本内科学会内科認定医
略歴
◆平成8年
中国吉林省延辺大学医学部卒業 、中国吉林省吉林市立病院勤務
◆平成17年
日本国医師予備試験合格、 神戸大學医学部5年生に特別編入、実地修練
◆平成18年
日本国医師国家試験合格 、神戸大学病院研修医 神戸大学病院糖尿病内科に入局
◆平成20年
兵庫県立尼崎病院東洋医学科勤務
◆平成21年
兵庫県立尼崎病院東洋医学科、糖尿病内科勤務
◆平成22年
新須磨病院糖尿病内科外来勤務
◆平成23年
中国中日友好病院などで中医の研修
◆平成25年
西宮北口にて李漢方内科・外科クリニック開院
◆平成26年
中国上海复旦大学付属腫瘍病院中西結合科、上海中医薬大学付属龍華病院短期研修
加する学会等
  • 世界中医連合会
  • 日中医学協会
  • 日本東洋医学学会
  • 日本糖尿病学会
  • 日本内科学会

研修歴MEDICAL

国医大師(日本でいう人間国宝)に師事し、勉強しました。
国医大師熊継柏先生
熊継柏先生得意分野:がん、不妊症、婦人科疾患、各種難病など
 
国医大師晁恩祥先生
晁恩祥先生得意分野:肺がん、喘息、間質性肺炎、COPDなど
 
国医大師許潤三先生
許潤三先生得意分野:婦人科がん、不妊症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、婦人科疾患全般

2018年12月20日木曜日

あけましておめでとうございます!!


もうすぐこんな声が聞かれる時期ですね💗何てことではありません。そのナゾは文章を読み進めていけば分かります。
急性ネタ切れ症候群を起こしていた伊藤です。ネタ切れを起こしているうちに、もうすぐ柚子やらカボチャを食べる冬至になります。

冬至の文化
ご存知の通り、冬至は一番昼が短く夜が長くなる日です。古代・周では冬至があるこの月を「子月」と呼び、1年の始まりである正月とされていました。
古代の中国皇帝たちも、冬至になると1年の天候を祈祷する儀式を行っていました。
 中国のことわざで「冬至にはギョウザを食べて、夏至には麺を食べる」とあります。漢の時代の名医で、葛根湯などの名処方が記載される書物「傷寒論」を書いた張仲景先生は、冬になると
「去寒嬌耳湯(きょかんきょうじとう)」
と呼ぶギョウザを、寒さを凌ぐ人たちの耳の凍傷を治療する薬として出しました。羊の肉と薑(ハジカミ)を使った料理です。トウガラシのようなものを使っていたとも言われていますが、トウガラシが中国に入ったのは明の時代ともされていますので、ショウガなどの薑類だと考えられます。

冬至は養生だよ
冬至は一陽を生む、つまりこれから新たに四季を迎えるためのエネルギーが生じる重要な時期です。例えて言えば、女性が妊娠をしたばかりの状態のように、大切に養生をしたい時期です。

養生するポイント
1.精神を調える。
精神的負担を減らすように意識をしましょう。ゆったりとした音楽で気分転換や、娯楽を楽しみ、人の良いところを見つけて本心から褒めてあげましょう。人は誰でも自己承認欲求がありますので、相手を気持ちよくしてあげれば、回ってあなたも気持ちよくなります。

2.規律正しい生活リズムで過ごし、過労をしない。
休みの日だから、あと1時間寝よ〜ってなっていませんか?人間にはバイオリズム(概日リズム)があります。平日同様に、習慣化された時間に起床就寝をする方が良いとされています。時間に余裕がある人は、春夏秋冬の起床就寝に合わせても良いでしょう。
また、過労は体の持つ元気を奪っていきます。忙しすぎず、自分のペースを会社の人などに黙って保ってるのも良いでしょう。過労は男性女性ともに不妊の原因にもなりかねません。

3.体をちょっと動かそう。
先程、冬至は一陽を生むと申し上げました。運動は小さい陽気を動かしますが、激しい運動をすると陽気を発散し、新たな四季を迎えるエネルギーを奪い取ってしまします。体が程よく温まり、冬の冷えで血流が滞らないくらいの運動が良いでしょう。熱い!冷たいの飲みたい!汗ダラダラ!まで行ったら、やりすぎです。

4.四季の養生の法則に則り、生活を過ごす。
これは、二十四節気のほかの内容をご覧ください。

冬至から気になる病気
中医では、脳や心臓など症状が出やすいと言われます。それは、おおよそ冷えによる原因です。
冷えて血流が悪くなれば、体の栄養が巡らなくなり心臓の痛みや筋肉においても「痛み」が出るようになります。また、一陽は下腹部にあると言われます。冷えは足元から上昇する性質があり、冷えが下腹部まで至ると、その一陽が動き上昇してしまいます。そうなると、めまい・頭痛・のぼせなどが現れ、中風といういわゆる脳卒中の症状にまで至ることもあります。

予防として以下を守ると良いでしょう。
1.冷やさない
2.怒らない
3.激しい運動はしない

冷やさない
いわゆる「首」のつく、手首足首と首はマフラーなどを使い冷やさないようにしましょう。冷えは風に乗ると首の後ろからやってきて、頭痛とかを起こしやすくなります。昔の名医たちは頭の上にお灸をして頭痛を治したりしていました。

怒らない
「怒髪天を衝く」と言いますが、怒りは気を逆上させます。先程の一陽さんが、上昇してしまう原因になります。

激しい運動はしない
これは養生のポイントで述べた通りです。

冬はこんな薬膳料理
皇帝さん家の冬と言えば「羊肉と大根の煮物」
材料
大根、羊肉(ブロックかスライス)、ショウガ、中国料理酒、塩

①大根と羊肉の量は、大根2:羊肉1くらい準備します。それぞれ角切りにしておきます。
②羊肉角切り肉を鍋に入った水にいれて、火をかけて沸騰したら5分ほどで肉を取り出します。これをやる事で、角切り肉は柔らかい歯ごたえになります。また臭みが減ります。スライスは特にここでは湯通しくらいで良いでしょう。
③鍋のお湯は捨てて、新たに鍋の湯を沸かして沸騰させます。
➃羊肉の角切り肉、ショウガ、料理酒(紹興酒にシナモン・八角・花山椒で代用可)、塩を好みの味付けの量で入れ、肉が6分くらい茹で上がったら大根を加えます。
⑤スライス肉の場合は、大根を先に入れて8分くらい煮込んだ段階で一緒に煮込みましょう。
⑥おいしく食べる。あっ!紹興酒と一緒に食べるなら、紹興酒は熱かんにして、ショウガの細切りを加えるとよいですよ。女性の生理痛にも使えます。

先日も羊鍋を食べた伊藤副院長でした。





2018年12月6日木曜日

寒暖差アレルギーのジンマシン

ここ最近は、寒暖差からくるセキやジンマシン・鼻水などの患者さんが多くみられます。
その中のジンマシンですが、この季節特有な傾向と体質によって現れます。

黄帝内経という中医のバイブル的な本には「諸痛痒瘡皆属於心」とあります。痛みやカユミ、皮膚のできものなどは、全て心に属す。とのことです。
これは、心理的な要素も含まれれば機能的なことも含まれます。「痛みの心理と病気の遷延」 でも書きましたが、痛みは心理からも影響します。イライラすればカユミも増します。それとは別に心の機能があります。心は火・血脈・神に属します。神は心理的な要素の説明は省きます。

血脈をたどり血で身体は栄養される
血を作るのは脾胃や小腸で行い、肝でストックされて、心で体中に送ることになります。
血は陰に属すことから、体の水分的な要素も担うことになります。血が少ない状態になると、乾燥もしやすくなりカユミなどの要素になります。
お風呂に入るとジンマシンが出やすい人は、血虚(血が足りない)体質の可能性があります。
お風呂などで熱が体に加わると、体表で発散したいけれども熱が溜まっているためジンマシンが現れます。また、冷えが内部に溜まっている時も出やすくなります。

寒暖差アレルギーによるジンマシンの、中医での要因
心の火
これも「神」のような心理要素も含まれますが、イライラなど興奮性の作用が起こると火が起こりやすくなります。火は外側へ拡散や上昇する性質を持ちます。

気候
この時期は、寒暖差があります。冷えは気が集まり、熱は気が拡散する法則があります。体の表面の冷えに抑えられて、熱が拡散しないことからジンマシンが現れます。またエアコンなどの風の流れもあります。風にあたると熱が発生しなおかつ乾燥させ、血が少ない人は皮膚も乾燥し風自体が皮膚の感覚を敏感にさせてカユミが起こります。

治療
薬では、体の表面や血にある熱を冷ます処方が多くなります。しかしながら、血が不足している場合は、その不足を補うようにします。状況に応じて、発汗を促す薬も加えて体表の冷えを取り除く生薬を加えます。
針きゅうでは、血の流れを調えてあげて脾胃という消化機能や気血を生成するために重要な部分を調整します。軽い鍼刺激で、すこし発汗させたり熱を抜いたりします。

ジンマシンでセルフケアは出来るの?
①気血を作るために、お腹のマッサージをしましょう。
両手をおへその上に重ねて、時計周りに36回まわしましょう。
脾胃の機能を高めます。

➁体を温めるものを取ったり、軽い運動をしたりする。
例えばショウガ茶を飲むことで、胃を温めるだけでなく、毛穴が開き発汗を促すことが出来てカユミが落ち着きやすくなります。逆に辛すぎるものは、発汗しすぎてしまいますので、摂りすぎには注意。
軽い運動での発汗も、同様の作用があります。

③ネバネバトロトロやたんぱく質、ドライフルーツをとる。
血は陰に属します。陰を補うためにヤマイモやオクラなどのネバネバトロトロを取りましょう。でも、納豆はちょっと違います。たんぱく質は特に、豚の皮などが一番ですがプルルンを取るようにします。ドライフルーツは、ブドウやナツメなどは気血を補いやすくなりますのでよいでしょう。

➃気持ち穏やかに。
呼吸法やヨガ、最近ならマインドフルネスなども良いでしょう。


それでは。


当院のホームページはこちらです。




2018年12月4日火曜日

12月7日大雪です。


降雪が強くなり始める時期で、大は「盛る」に通じているため「大雪」と言われます。
小雪と基本的には養生方法は同じくして、体を温める食べ物を摂取して体を補うのがメインです。ぜひ小雪もご覧ください。

大雪の気候と病気

大雪以降は、気温が下がっていき、風も冷たく雪も舞い散るようになります。
中医では、頭や胸・足といった場所や「首」のつく場所が冷えや風を受ける場所と言われています。頭は「諸陽之会」と呼ばれており、陽気の脈が通るので冷えには強いと言われます。しかし、気温が下がることで血管が収縮、中医では経絡が通らなくなり頭痛やめまいが起こりやすくなります。

また、胸は陽に当たる部分であり冷えを受けてると血が通いにくくなり、心臓の痛みなどが出やすくなります。そして、冷たい空気自体は気が重く下にあることから、足元から冷えが入り、上にあがっていきます。そのことで、足の冷えや、婦人科疾患の月経不順・子宮筋腫などのが起こりやすくなり、胃腸に来れば下痢や腹痛をおこすようになります。

この時期は、帽子や厚手の靴下、強いてはハラマキ、マフラーなどをつけるようにするとのがマストですよ!

そして、冷えると筋肉も硬くなるので、肩こりや腰に痛みを感じるようになります。温かいお風呂で長くは浸からないようにしたり、お灸で温めたりしたり、カイロを使うのも良いでしょう。体を軽く動かすのもおススメです。
体が冷える経絡の流れが悪くなり、寒気を伴う風邪になり易い時期でもあります。そんな風邪の時の小技を1つ。

冬風邪の小技

蘇姜茶
水っぽい鼻水、寒気、体のこわばり、汗が出ない時の風邪に使ってみましょう。
 3分クッキングのテーマを、頭の中で流しながらご覧ください。

材料:シソの葉 12g ショウガ 9g 黒糖 好みで適量
①シソの葉とショウガを600mlの水に入れ、8分ほど中火で煮出す。
➁黒糖を加えて混ぜる。
③熱いうちに飲む。発汗したら症状が軽くなります。

シャワーで大椎アンド大杼・風門
ツボを使う技です。大椎(だいつい)は頚椎7番の下にあり(首を大きく前後に振ると大きく動く一番下の頚椎)、大杼はその横、風門は大杼の下にあります。
そこを、ちょっと熱めと感じる温度のお湯でシャワーを3分ほどかけてあげると、寒気や首のこわばりが楽になります。肩こりにも使ってみてね。
それでは。




2018年11月29日木曜日

疲れと女性の悩みのお灸~サロン~

温かいのか寒いのかまだまだ分からないですが、これから冬を迎えて気温は下がり体も冷えていきます。
冷えで体が硬くなると、疲れも出やすくなります。それと、足元から冷えはやってくるので女性の悩みは増えてきます。
そこは『お灸でしょ?』

でも、お灸のやり方がわからない。お灸ってどんな種類があるの?試してみたい。
自分でセルフケアをしたい、人にしてあげたい等々のご希望に合ったサロンです。

奮ってご参加ください。

日時:12月14日(土)16:00~17:30
場所:東文中醫クリニック・新橋内
定員:8名(最少催行人数5名)
参加費:1000円

2018年11月22日木曜日

ヒザの痛み


寒い時期や雨の日など天気の悪い日には古傷がうずく、なんて方は多いと思います。その中でも代表的なのは、「ヒザの痛み」ですね。膝の痛みは、スポーツ外傷があれば、整形外科で軟骨がすり減っている、加齢が原因とか言われます。その膝の痛みについて中医的に考えてみたいと思います。

関節の痛みはどうして起きるのか?
漢方や鍼灸には、痛みの2大原因論があります。「不通則痛、通則不痛」と「不栄則痛、栄則不痛」と言われます。前者は、気血が流れ停滞する事を原因とします。後者は、痛む部分に血などの栄養が周らないことを原因としています。

その原因を引き起こす要因には、①外的要因②内的要因が存在します。
①外的要因には、風邪・寒邪・熱邪・湿邪(内部からの発生もある)が大きく関わります。

②内的要素には、主に気血の不足で栄養が渡らない場合と、流れない事で血が滞る「血瘀(けつお)」による痛みがあります。加齢による腎気の不足でも痛みが出ることがあります。


なぜヒザなのか?
中医でヒザは「筋の府」と言われています。また膝の周囲には、脾・肝・腎・膀胱・胆・胃経の経脈(経絡)が流れています。経絡に沿って「経筋」という筋膜があり、筋の府=筋の集まりである膝には問題が集まりやすくなります。

そのヒザの痛みは「経筋」からかも
突然、何かしらの影響でヒザが痛くなることがあります。もちろん外傷もありますが、整形外科でヒザのレントゲンなどを取り、「年齢だね」とか「体重だね」などと言われる時もあります。そしていつの間にか「変形性膝関節炎」になっています。
ただ、「変形性膝関節炎」と診断された場合であっても、痛みは改善する可能性があります。
それは「経筋」が影響しているからです。経筋は多数筋肉の連結性から起こり、ヒザには筋肉もあれば骨もあります。経筋の詰まりが、ヒザの状態を変化させてしまうことがあります。

スクリューホームムーブメント
経筋は、多種筋肉の連結性です。筋肉が固ければ、骨の角度変えてしまう可能性が大いにあります。そこで、スクリューホームムーブメントをご紹介します。簡単に言えば「ヒザの動き方」のことを言います。
座る時 (膝を曲げる)①大腿の骨は内側へとねじれます。②同時にヒザから下の骨は外側へねじれます。
立つ時(膝を伸ばす)①大腿の骨は外側へとねじれます。③同時にヒザから下は内側へとねじれます。
歩行や階段の上り下りでヒザの痛みが出る場合は、大腿かヒザから下の骨の回転角度が大きい可能性があります。そのため、余計に回転角度が大きくなる事から筋肉に負荷がかかり痛みが出ると考えられます。
伊藤画伯


治療には
鍼灸やあんまを使って、経筋を調整するのはもちろんのこと、同時にスクリューホームムーブメントを正常に行うためのヒザの位置調整や、全体からかかる体重の負荷の調整をすると良いでしょう。温めながら、動かしていくのも大事になります。


当院のホームページはこちらです。

小雪です。


気温が急激に下がり始めて、降雪が始まるも大雪まで至らないことから「小雪」と言われます。
中国ではこの時期から中国のベーコンにあたる「臘肉(ろうにく)」が作られる時でもあります。個人的には臘肉のチャーハンが好きでした。

閑話休題
本来の秋冬であれば乾燥している時ではありますが、少しだけ潤いがある時と言われています。日光照射量が少なくなる事から、心理にも影響され抑うつなどが出やすくなる時でもあります。

主に出てくる状態
①気分が落ち込む
②仕事が以前よりうまく処理できない
③疲れやすい、おっくう
④楽しくない
⑤集中力・思考力の低下
⑥睡眠時間延長や朝起きにくい
⑦食欲減退または亢進

中医では、七情という感情と臓腑の繋がりを表す言葉があります。怒りは肝を傷つけ、喜びは心を傷つけ、思うは脾を傷つけ、憂いは肺を傷つけ、恐れは腎を傷つけるとあります。また、清代御典医である黄元御先生は、「気が沈むべきものが沈まず、沈んでも下腹に溜まる陽気が足りなければ気持ちが落ち込むようになる。」と考えています。陽気が足りない、気が降りて下腹が収まらないということを問題視しています。
そのため中医の古典「黄帝内経」では冬は太陽の光を浴びれる時間に起きると良いとしています。その事で陽気を取り入れることが出来るとのことです。

それ以外にも、体を冷やさないのは当然のこと。足の裏をさすって温めてあげてマッサージを加えるのも良いでしょう。
体を温めるのに、ショウガやシナモン、コショウなどを使いうまく冬を過ごしていくのが大事になります。春のためにもね。



2018年11月20日火曜日

当院での月経不順と不妊症治療の方法



当院では「生理周期と漢方」で書いている通り、『基本の体質+3つのステージ』を中心に治療を行います。また古来より中国医学では、漢方薬は「内部」から鍼灸は「外部」からの治療を得意としますので、鍼灸治療を合わせることでより結果を出しやすい状態を作りようにします。

特に漢方は「補う」「取り除く」ことに関し、鍼灸は「気血を通す」「温める」「調和させる」をことに関して強い傾向があります。
体が弱かったり、体の中のうっ血が強かったりすれば薬を使います。体の緊張が強くなることや疲労などによるものであれば鍼灸を行い、気持ちのストレスを減少させることも加味してます。
不妊症の治療となると心理的なストレスが大きく、より妊娠に向けてプレッシャーがかかることから鍼灸治療をベースに行うことを勧めています。場合により、子宮の前傾や後傾がある場合、スイナ療法での調整も加えます。

婦人科での排卵誘発剤や採卵などにより、体質の変化が起こることがあります。その体質の変化への対応も大事だと我々は考えています。
また、採卵後に子宮に受精卵を戻す時も、出来る限り気血の充実した状態のタイミングで、その時期を提案します。「体外受精人工授精と漢方のタイミング」(作成中)


当院で生理不順と不妊症の治療方針

1st 生薬煎じ薬+鍼灸治療
医療保険適用の顆粒エキス剤の場合、体質に合わせて処方が困難であり不要な生薬も配合される可能性が高いです。そのため、体質とステージに合わせて調整しやすい生薬煎じ薬と鍼灸治療の伝統的中医学の治療法をファーストチョイスにしています。

2nd 顆粒エキス剤(保険)+生薬煎じ薬(時々)+鍼灸治療
煎じる手間や経済的な観点から効果的に目指したい場合は、必要な時期だけ煎じ薬を使い、ベースは医療保険適用の漢方を使う方法があります。同じ日に同様の症状で、保険と自費の薬は出せませんのでステージ別や必要時期に応じて使い分けることを提案します。

3rd 顆粒エキス剤+鍼灸治療+家でのケア
体質やステージに合わせて、理想に近しい医療保険適用の顆粒エキス剤と鍼灸治療を組み合わせ、プラスして家でのお灸などのケアをする方法があります。通院が大変な場合などは、家でのケアを増やす必要があります。


生薬煎じ薬と顆粒エキス剤
どちらの薬も、診断にあった処方であれば効果は現れます。しかしながら、その効果の出方は薬の形から差が出てきます。

生薬煎じ薬と顆粒エキス剤の違い
より体質に合わせて、また体調の変化やステージにより対応が出来るかどうか。
吸収がされやすいかどうか。
生薬の量。
この3点が、薬の効き具合に影響を与えます。

当院のホームページはこちらです。

2018年11月19日月曜日

生理不順の症状



◎現代医学的な大まかな生理不順
以下のような傾向があります。どれも状態を見て、婦人科にかかりましょうという事になります。

頻発月経:1ヶ月に何回も生理がある。基礎体温をつけて、排卵の有無で傾向が異なります。
無排卵性頻発月経:排卵が無い場合
卵胞期短縮頻発月経:低温期が短くて生理から排卵までの期間が短い場合。
黄体機能不全型頻発月経:排卵後から次の生理までの高温期が短い場合。
希発月経:周期が長く39日以上ある生理。
過多月経:生理が8日以上続いたり、大量の血や血のカタマリが出たりする。
過少出血:生理が3日以内で終わったり、2日目でナプキンの交換が必要のないほどの量。


◎中医漢方・鍼灸での生理不順・異常
 不調 イ.痛みの有無、ロ.発熱の有無、ニ.生理周期の前後
不通 イ.痛みの有無、ロ.発熱の有無、ニ.血が少ないor血が滞っているか
他にも
血の色:①薄い赤:血虚 :瘀血 :or冷え
カタマリ:①冷え血虚血積
:少ない:血虚/多い:脾虚or
このような要素を総合的に判断します。







◎異常があっても、大きな影響は無いと中医的に考えられる状態

倒経逆行
生理の時に、通常の生理が子宮から出ずに、吐血や鼻血、目の充血、耳の出血があるもの。
居経
3ヶ月に1回、生理が訪れる。
避年
一年に一回生理がくる。
暗経
一生生理が来ないが、妊娠は出来る。
胎盛
妊娠後も毎月生理が起こり、出産にも影響がない。
漏胎
妊娠して数ヶ月経ち、大量の出血をおこしても胎児に支障が見られない。

これらは性格にも起因するなどと言われて、頑固だったり、自分勝手だったりする人はなりやすいと昔の人は言っていました。
他にも帯下(おりもの)からも病気は見ますが、こちらはまた機会がある時に。

当院のホームページはこちらです。

2018年11月17日土曜日

体質傾向から月経不順と不妊症になるメカニズム

「中医漢方・鍼灸の生理不順や不妊症になりやすい体質傾向」で、体質の話を紹介しました。今回は、その体質がナゼ月経不順や不妊症になるのかというメカニズムについてお話しします。
生理や妊娠は気はもちろんのこと、血が重要な要素になります。心は血を生み流し、肝は血を蓄え、衝脈・督脈・任脈が血の海と生殖妊娠に関係します。


①胃腸の消化吸収の機能が低下している人。
>1、食事を取るとお腹が張って重くなり、ガスが出やすく消化がうまくいかないタイプ。(実証)>2、疲れが強く、動くと息が切れてしまいそうになり、動悸が出たりめまいを起こしたりするタ>イプ。(虚証)
一番重要になるのは、①です。中医漢方・鍼灸では、脾胃と呼ばれる臓腑があります。その機能は、気や血の生成の為に食べ物を消化することです。消化が上手く行かなければ、気血の生成が出来なくなり、他の臓腑にも栄養が回らなくなります。そうなると、生理になる血も作れないため生理不順や不妊症になります。実証では、食べ物が詰まる事で消化不良状態になり気血の生成が妨げられます。虚証では、脾胃の力自体が不足して気血が作れずにいるために起こります。いわゆるヤセ過ぎで不妊にになる場合もこのケースです。


②冷えが強い人
「体は冷やさない方がいい」と、よく世間では聞かれますが、中医でもその通りだったりします。特に冷えは足元から昇っていく特徴があり、子宮を冷やして血流を悪くすることが原因となります。まるで、冬の川のように凍ってしまうのと同じです。

③熱が強い人
熱が強い人は、熱によって血が沸騰してしまい、血が少なくなってしまうために起こります。また、発汗が強いと汗は血と同じと考える(ブログ)ので、体内の血が少なくなってしまい子宮が栄養されなくなります。


④肥満傾向な人
体に痰湿という物体ができて、それが脂肪であると考える中医では、子宮に脂肪がたまり精(精子)を収められないために妊娠がしにくい原因とされています。

⑤イライラや心配が多く、考え込みやすくなるなどの気持ちが不安定な人
イライラしやすく、考え込みやすくなれば気の流れが滞り、血も流れなくなってしまいます。心配ごとが多くなったりすると、血が減りやすいとも言われています。そのため、多くの生理不順もメンタル的な要素が加わるとともに、妊娠とも関連性を持つようなります。

⑥先天の腎気が不足している人
先天の腎気とは、生まれた時に両親からもらった気であり、生殖・成長に関わります。腎気の不足も妊娠に大きく影響する部分です。


2018年11月15日木曜日

生理周期と漢方



月経周期の3つのステージ卵胞期排卵期黄体期
卵胞期
脳下垂体から分泌された卵胞を刺激するホルモン(FSH)により、卵胞が成長して卵胞自体が卵胞ホルモン(エストロゲン)を出します。卵胞ホルモンが、子宮を厚くします。

排卵期
卵胞が成長して子宮内膜が厚くなるころ、卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモン(LH)の分泌は最大を迎えて排卵して卵胞から卵子が出ます。

黄体期14日間
排卵後の卵胞は黄体になります。黄体からは黄体ホルモン(プロゲステロン)が出て、その刺激で子宮内膜は柔らかくなり着床しやすくなります。

着床をする妊娠
着床しない月経。子宮内膜が出血してはがれて出てきます。

漢方での対応
ステージにより処方を変えていきます。基本は、月経の状態からの処方をベースに置きます。それに加えて時期ごとに加減をしていきます。

当院では分かりやすく陰の時期陽の時期活血の時期の3ステージで分類しています。

陰の時期
生理が終了して、陰血が不足している状態に対してアプローチします。主に補血薬や滋陰薬に加えます。四物湯や温経湯、生薬ではアキョウ・カンレンソウ・ジョテイシ・サンヤク・センキュウ・トウキなどを使います。

陽の時期
排卵期付近から排卵して高温期に入るあたりから調整をしていきます。主に補陽薬・補腎薬を使います。ニクジュヨウ・ハコシ・ブシ・トチュウ・ケイヒなどを使います。残念ながら、不妊症の医療保険適用で補腎薬・補陽薬はほとんどないのが現状です。当帰芍薬散加附子は適用範囲の場合があります。体の他の症状を取り除く処方を出す必要があります。

活血の時期
生理が始まってからの数日に適応します。生理の血をすっきりとして、環境を変えるために活血剤などを使い整えます。桂枝茯苓丸や桃核承気湯、温経湯、芎帰調血飲などを使います。生薬ではトウニン・ゴシツ・ガジュツ・サンリョウ・コウカなどがあります。

ステージに合わせた治療が、より奏効します。




2018年11月6日火曜日

立冬


文字として「立」は始まり、「冬」は終りや万物の収蔵を表します。この時期に農作業も終わりを告げて作物を蔵に収めます。人の気も体に収めて、発散させないようにするのが立冬や冬の養生の特徴です。それでは、立冬あんど冬の養生のポイントご紹介しましょう。

冬は陽気を動かさない。
冬には、体の陽気を収めておくという中医の考えがあります。その陽気は、春に生成され夏に強くなり、秋に陽気を集めて冬に貯蔵をすることになります。冬に陽気が動いてしまうと、顔がのぼせたり、喘息がでたりする事があります。

冬は血や気が体内にこもる状態にあり、運動や労働で汗をかくことで陽気を出してはダメと言われています。

また、冬は早寝遅起きをして朝の光をしっかり浴びる事が必要になります。冬季うつなどは、曇りの天気が多いことから光の照射量が足りず、脳内のセロトニンの分泌量が減るために起こるとも言われています。太陽の光は、陽気です。その陽気をしっかりと取り込めるように、日の出ている間しっかり活動をしましょうと中医では言われます。

温かいお湯で、「足湯」をしよう!
熱湯ではダメです。熱くなりすぎると、夜寝られなくなります。足湯をしながら、片方ずつ足の裏の湧泉というツボをしっかりと揉んであげると良いでしょう。
湧泉は腎のツボです。足裏の痛みなどだけではなく、疲労回復や睡眠の促進、高血圧や風邪の予防にも使うツボです。

体の気を補う。
人も動物同様、冬眠の前にエネルギー(気)を補充する必要あります。立冬から立春までの間に、冬は気の補充をすると良いとされています。
気を補うには飲食と薬があります。
飲食
野菜を取ることはもちろん、お肉、卵は一般的には食べたほうが良いと言われますが、中医では鶏肉・羊肉・リュウガンニク・くるみ・キクラゲ・スッポンなどが補いものとされています。

体質により気虚・血虚などがあります。
気虚タイプ:疲れやすく息切れして顔色が白くて軟便。
人参・黄耆(オウギ)・白朮(ビャクジュツ)・党参(トウジン)などの補気類
血虚タイプ:ツヤがなく、めまい動悸、唇が青白いなど。
地黄(じおう)・阿膠(アキョウ、ロバの皮から出来たコラーゲン)・当帰(トウキ)・枸杞(クコ)などの補血類

体に合わせて使っていくのがポイントです。体の熱が強い人に、補気類を与えると余計熱くなることもあります。
ほかにも、お灸を足三里や、おへその下(関元)、湧泉にすると良いでしょう。

今のケアが今後に影響を与えますので、しっかりと養生に努めましょう。



中医漢方・鍼灸の生理不順や不妊症になりやすい体質傾向


中医の漢方・鍼灸では、生理不順や不妊症になりやすい傾向が分析されています。これらの分析する手法は、歴史的に考えても「跡取りを残す」という貴重な事象から発展していきました。かつて中国は日本と同様に、男子が後を継ぐことから産み分けや診断方法、もちろん妊娠するまでの方法を臨床経験から培ってきました。

不妊は生理不順が全て原因であり、その原因は①七情=感情に由来②外気環境由来③気血の偏り④陰陽の偏りであるとも言われています。
ここでは、生理不順や不妊症になりやすい体質についてご紹介します。

①胃腸の消化吸収の機能が低下している人。
大きくは2種類に分けられます。
1、食事を取るとお腹が張って重くなり、ガスが出やすく消化がうまくいかないタイプ。(実証型)
2、疲れが強く、動くと息が切れてしまいそうになり、動悸が出たりめまいを起こしたりするタイプ。(虚証型)

②冷えが強い人
冬空の寒い中でもスカート(特に短め)を履く。
アイスなどの冷たい食べ物、氷の入った冷たい飲み物が好き。

③熱が強い人
暑がりで、汗をよくかく。(運動なども含めて)

④肥満傾向な人

⑤イライラや心配が多く、考え込みやすくなるなどの気持ちが不安定な人

⑥先天の腎気が不足している人

これらの状態があると、中医漢方・鍼灸では生理不順が起きやすかったり、不妊症になったりする原因と考えています。


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2018年11月2日金曜日

月経不順と不妊症ポータル~生理の正常基準とは


中医の漢方・鍼灸では、女性は陰や血と関係していると考えます。
女性には月に1回の月経(以下、「生理」で表現)があります。昔は「月信」と呼ばれており、月の満ち欠けのように30日(三旬)で満ちて生理が起こると表現されています。中医の漢方薬や鍼灸では、この生理の状態が、女性において治療の指標であると言われるほどです。
また、生理の問題は生理不順だけではなく、不妊症の問題にもなり得ます。生理の正常基準を知っておきましょう。

◎現代医学での生理の正常基準
  • 周期:25日〜38日間。予定日より±2〜5日程度
  • 期間:37
  • 量:20140ml特に2・3日目に出血が多い。
  • 生理痛:日常生活が送れ、市販の鎮痛薬で痛みがやわらぐ程度。


◎中医学での生理の正常基準
中医では生理の有無・量・周期や期間の長短を患者さんの主観から見ていきます。
  • 周期:30日前後
  • 期間:以前と比べ長いか短いか。極端に変わらなければ正常。
  • 量:以前と比べて多いか少ないか。体質により変化。
  • 生理痛:無い
  • 血のカタマリ:無いorごく少量


以下に各問題についてのブログがありますので、ご参考ください。


2018年10月26日金曜日

アルツハイマー病の最新論文と中医漢方的考え②

我々の中医的考えてみれば、アルツハイマー病とは「痴呆」や「健忘」などと呼ばれます。一般的に髄海不足、心神不足など心や腎など精神に関わるところが原因となります。

一般的な中医治療方針として「補う、通す、調える」を行います。

補う:とくに腎補ったり、気血を補うことをします。六味丸や八味丸が使われます。また、クルミやナツメ、ごまや卵、キノコなどが良いと言われます。

通す:血流を通し、溜まった目に見えない痰や血の滞り(オ血)を調えるたりします。処方では二陳湯や抑肝散加陳皮半夏なども使われます。

調える:気持ちを調えることが大事。特にウツ気味の人は気が滞りやすく、痴呆になりやすいと考えます。処方では逍遥散や帰脾湯といったものが使われることが多いです。

この腎や心の問題を解決するのに、重要になるのは脾胃です。食べ物をしっかり消化して、吸収や気に転換などをしやすいようにする機能があります。体では真ん中にあり、車軸の役目を果たすため、体全体に気を運びます。消化吸収が出来れば、気血の生成が可能となり腎や心に栄養が回るため痴呆が起こりにくくなります。脾胃が悪ければ、頭寒足熱の逆が起こるようになります。
さらに年齢により腎の力が低下するので、腎を補うことも必要となります。特に命門の火と呼ばれる「腎陽」は、体の免疫とも関与されるとされています。

中医では、免疫力が下がり発病した時を「自病」とするため、その自病の治療が自然と予防にもつながります。

今回の論文の論旨を読んで頂いた通り、原因に対する治療法の思考は異なります。中医はそもそもの原因である、免疫力を上げるとかストレスとどのように過ごすかについて注目をして治療をします。
結果論的には、ヘルペスウイルスを活性化させない為の方法を異路同帰する、つまりは現代医学でも中医学でも行うようになっているのでした。




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2018年10月25日木曜日

アルツハイマー病の最新論文と中医漢方的考え①



20181019日に公開された論文によると、ヘルペスウイルス(HSV1HHV1)がアルツハイマー病の原因となっている証拠があるとのことでした。論文作者は、オックスフォード大学の臨床神経科学です。

そんな内容を、中医にしてみましょう。

その前に、論文の内容をかいつまんで説明します。この論文でのヘルペスウイルスウィルスは、疲れると口の周りにブツブツを起こす口唇ヘルペスを起こす単純ヘルペスウイルスⅠ型と呼ばれるものです。ウイルス自体は、体の中に幼児の頃から潜伏していて、ストレスなどをキッカケにウイルスが活性化されて口唇ヘルペスや脳炎の症状を起こします。高齢者においても、脳内にウイルスが存在されることが示唆されています。

結局、単純ヘルペスウイルスⅠ型がアミロイドβという異常なタンパク質が脳内に蓄積することが、アルツハイマー病を起こす要因の1つだとしております。また抗ウイルス薬がアルツハイマー病の治療に役に立てられる可能性を示唆しているとのことでした。
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2018年10月20日土曜日

漢方煎じ薬の味の考え方

ふと昔、マンガの「美味しんぼ」を読んでいた時「さんまは苦いかしょっぱいか・・・」なんてフレーズがありました。これは佐藤春夫さんの「秋刀魚の歌」の内容でした。
普通ならばこの流れは、秋刀魚について話したいところですが、ここは別の内容で。。。

先日、大杉製薬さんのご厚意により院内ミニセッションが開かれました。
講師として中川先生がいらっしゃいましたが、当院の伊藤と劉中医師と同大学ということでチョットした校友会の雰囲気でした。

同じ中医をする人間として、気になる話題があり中川先生に聞いてみました。

「漢方薬を飲んでうまいと感じたら、その漢方薬はその人にあっている。」説
「良薬は口に苦し。」説

中川先生曰く:日本漢方では口に合えば、体に合ってると言われます。我々中医学では、甘いものしか食べない、辛い物しか食べないなどの味の偏りがある人が、その味にあっているから「うまい」と感じます。偏りが出るから、甘いものを食べれば湿が出てきて太るし、熱化するので体に湿熱が溜まるようになります。体質体調に合わせて、我々中医学をするものはその状態を正す必要があります。よって、口に合わないからこそ、飲む必要があるものもあります。

との事でした。
確かに、五味の酸味・甘味・辛味・苦味・塩辛味があり、それぞれ五臓に入ると言われます。それが五臓を補うわけで、「体が欲している味が、体に必要な味。」ということも理解はできます。しかしながら、辛いものが好きな人が、辛い物を食べ続けて健康的かと言えばそうでもなく、場合によっては臓の気が強くなった時に捨てる必要があります。

結論1:味の偏りすぎは良くない。
結論2:良薬は口に苦しだけど、場合によってはうまく感じても体に合っている時はある。基本は、その人の体に合わせて処方されるのが一番。でした。


2018年10月18日木曜日

腰痛の改善ストレッチ


腰痛で苦労されている方は、多くいらっしゃるでしょう。
心理的な理由から出る腰痛があると言われて久しいです。

椅子に座りっぱなしでPC作業の多いビジネスパーソンの皆様、前かがみの姿勢で荷物を持ち上げることが多いワーカーの皆様に朗報です。

もしかしたら、体幹の筋肉の緊張が腰痛を引き起こしているかも知れません。今回特に注目すべきは「大腰筋」です!
この大腰筋は、胸椎の下位~大腿骨の内側「小転子」に付いている筋肉です。背骨の横にあるトゲの前(お腹側)を通るため、手では触るのは困難です。

中医では「腰は腎の府」と呼ばれています。腎の機能低下が経絡の流れを停滞させて痛みを起こすとしています。外的な要素に冷えや湿気などもあります。また、大腰筋に相当する部分に腎の経脈(経筋)があるため、腎の経脈を調整する必要があります。
(経脈のことについては個別にどうぞ)

今回は、そんな腎の経脈を整える養生ストレッチをご紹介します。
その名も
「ひっくり返ったカエルは腰痛を良くするよストレッチ‼︎
要はあれです。
上向きで寝て、足裏合わせてアグラをかき、モモの内側を伸ばすだけです。
注意点が2点!
自分のモモやヒザ、フクラハギの重さで伸ばすこと。力を入れてたり、勢いをつけて広げないでください。お尻の筋肉使いすぎて、腰を痛めます。いわゆる自重を使ってください。
緩みが出てアグラをした股関節が広がる感じが出たら、ヒザをもっと曲げて角度をつける。その為、養生ストレッチの始めは、それほど角度をつけなくて結構です。

下に伊藤画伯にによる図がありますので、ご参考ください。

当院に通院されている方には、結構該当される場合が多いで養生ストレッチをしてもらうようにしています。
足のしびれを伴う「腰椎椎間板ヘルニア」の診断を整形外科で受けた方で通院嫌いな数名は、これだけで治った例があります。

簡単で、寝る前に出来る養生ストレッチをお試しください。


2018年10月16日火曜日

漢方と生薬



皆さん、漢方薬飲んでますか‼︎
今回は、お薬の豆知識を一つご紹介いたします。
そもそも漢方薬の「漢方」とは、日本の江戸期にあるオランダ医学の薬である「蘭方」に対してできた言葉とされています。
そうなりますと、「漢方」は時代背景からすると「清方」とかでも良かったのかもしれません。
しかし、日本の漢方薬の主流は東漢代(後漢時代、BC20年~225年)の張仲景先生の『傷寒雑病論』からの処方でした。その時代の、「方剤」つまり製剤の名称から「漢方」となりました。方剤は、葛根湯・防風通聖散・補中益気湯と言った名称があります。

その「方剤」は、「生薬」の組み合わせによって構成されています。「生薬」は、一つ一つの薬用動植鉱物のことを指します。
人参・葛根・甘草などがそれに当たります。食卓に出るショウガなども生薬なるとショウキョウと名を変えます。

生薬の多くは植物性のものが多い事から、「本草(ほんぞう)」とも称されます。中国では「中薬」と言います。
また、生薬は「炮制(ほうせい)」と呼ばれる加工をします。加工をする事で、毒性を減らしたり、効果を高めたり、冷える作用を弱めさせたりします。

漢方と生薬では、以上のような違いの意味があります。何かの機会に、自慢げに話してみてください。
周りからえらく引かれたら、その時はその時です。